正信偈の意味【必至無量光明土 諸有衆生皆普化】全文現代語訳

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現代語訳

計り知れない光明の浄土に至ると、あらゆる迷いの衆生を導くことができると述べられた。

この度は、正信偈「必至無量光明土 諸有衆生皆普化」について意味を分かりやすく解説します。

語句説明

無量光明土・・・阿弥陀仏のお浄土のこと。阿弥陀仏とそのお浄土は光明無量を誓った12願、寿命無量を誓った13願によって出来上がった世界である。ここでは人々へのはたらきを無量光明土と光の世界として表明された。

諸有・・・苦しみ悩む人々のこと。有情ともいう。仏教では草花には心があると見ないが、動物や虫までも心があるものと見る。阿弥陀仏の救いのはたらき、目当ては心あるすべての命なので、動物や虫までも阿弥陀様の救済の対象である。

普化・・・あまねく化すことで、阿弥陀様はすべてのものを皆教化して救済するということ。

「むりょう」って聞くと、こっちの「無料」の方を思う浮かべるよ
世の中「無料」(ただ)より高いものはないっていうから気をつけてね
阿弥陀様の救済はいくらでしょうか

正信偈の原文

必至無量光明土
ひっしむりょうこうみょうど
諸有衆生皆普化
しょうしゅじょうかいふけ

正信偈の書き下し文と現代語訳

【書き下し文】かならず無量光明土に至れば、諸有の衆生みなあまねく化すといへり

【現代語訳】計り知れない光明の浄土に至ると、あらゆる迷いの衆生を導くことができると述べられた。

正信偈の分かりやすい解説

無量光明土とは

曇鸞大師は、煩悩を捨て去りきれない私たちは、真実が分からず道理に惑い、心が汚染されていると教えてくださっています。このような惑染の凡夫の私たちにも、阿弥陀仏の本願力によって信心が起こると明らかにされています。

そして阿弥陀仏による信心によって私たちは、迷いの状態のままに、迷いから解放されることができると曇鸞大師はお示しくださっています。
惑染の凡夫が阿弥陀仏のはたらきによって、間違いなく浄土に往生することを「必ず無量光明土に至れば」(必至無量光明土)と「正信偈」には記されています。

「無量光明土」とは、限りのない光が輝いている国土、つまり阿弥陀仏の極楽浄土のことを表しています。阿弥陀仏が仏に成られる前、法蔵という名の菩薩であった時、その法蔵菩薩は、48の願いと誓いをお立てになりました。その第12の願が「光明無量の願」です。『仏説無量寿経』によりますと、

『仏説無量寿経』第12願

たとい我、仏を得んに、光明能く限量ありて、下、百千億那由他の諸仏の国を照らさざるに至らば、正覚を取らじ

という誓願です。

「那由他」とは、インドの数の単位で、一千万とも、一千億ともいわれる、とても大きな数を表します。
法蔵菩薩は仏になる時に、「浄土の光明の輝きに限りがあって、すべての国々を照らさなければ、自分は仏には成りません」という誓いを立てました。

そしてその誓いが実り、願いを成就して、法蔵菩薩は阿弥陀仏に成られました。このために、阿弥陀仏の浄土は「無量光明土」と呼ばれます。

中国
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普く化すとは

次に正信偈の中に「諸有の衆生、みなあまねく化すといえり」(諸有衆生皆普化)とありますが、「諸有」は「あらゆる」と読みますから、「諸有の衆生」は「すべての人びと」という意味です。

惑染の凡夫が、阿弥陀仏の本願によって無量光明土(阿弥陀仏の浄土)へ往生を果たし、浄土に留まることなく、仏になって今度は迷いの世間に立ち戻り、すべての人びとを導くと、曇鸞大師は示されています。

凡夫が往生することを往相といいます。それは凡夫の私たちが往生浄土することを表しますが、それは自らの力で浄土に往くのではなく、阿弥陀仏から回向されている(回し向けられている)本願に由って往生するのです。そして、浄土に往生できた人が、この世界に帰り来て、残された人々にはたらきかけることを還相といい、これも阿弥陀様から回向されている本願に由ることであると示されています。

惑染の凡夫に信心が起これば、迷いのままに煩悩を断たずして浄土に往く仏の命となれるのは、阿弥陀仏の往相の回向に由るからです。そして、無量光明土に至った人が、仏となりこの世界に戻ってすべての人びとを導くことになるというのは、阿弥陀仏の還相の回向に由るからなのです。

還相回向
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正信偈の出拠

『高僧和讃』願土にいたればすみやかに 無上涅槃を証してぞ
すなはち大悲をおこすなり これを回向となづけたり

『平等覚経』つつしんで真仏土を案ずれば、仏はすなわちこれ不可思議光如来、土はまたこれ無量光明土なり。

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