親鸞聖人は、正信偈を記すにあたって自らの考えを発表したのではなく「唯可信斯高僧説」(この高僧の説を信ずべし)と述べられたように7人の高僧を挙げて、浄土真宗の正当性と阿弥陀仏の本願を世の中に広めてくださいました。その7人とは、どんなお方なのでしょうか。なぜ七高僧を選ばれたのか詳しく解説していきます。
親鸞聖人が七高僧を選んだ条件
第1条件は、自ら阿弥陀様の本願を信じ念仏に生きられたということです。浄土に生まれたいと願う人はたくさんいましたが、自らの力を頼りにする人や、自らの称えた念仏の手柄に溺れる人は、この条件からは外れます。
第2条件は、書物を残して阿弥陀様の教えを広められている事です。阿弥陀様の救済を喜び、他力の念仏に身を任せる方々はいても、書物を残していなければこの条件には当てはまりません。
第3条件は、書物を残し本願について解釈をされている事です。当時の人々には受け入れられなかった事も多かったでしょうが、それでも阿弥陀様のご本意を明らかにされた方々が当てはまります。
七高僧に選ばれた理由は、単に先人の言葉を模倣し踏襲されただけではなく、先人の表現の奥底にある真意を見出し、考えを示した方が選ばれました。それは、親鸞聖人が正信偈の中に記された7人の高僧ですが、言い換えれば阿弥陀様のお心を私たちに残してくださった偉大な高僧ということになります。
親鸞聖人が七高僧を讃嘆
七高僧によって、お釈迦様の説かれた真意を、時代と地域に対応して親鸞聖人の時代まで伝えてくださいました。阿弥陀仏の本願を伝えてくださった方々ですから、親鸞聖人は主著『教行信証』に何度も引用されて、説明されています。冒頭には、
教行信証
慶ばしいかな、西蕃・月支の聖典、東夏(中国)・日域(日本)の師釈に、遇ひがたくしていま遇ふことを得たり、聞きがたくしてすでに聞くことを得たり。真宗の教行証を敬信して、ことに如来の恩徳の深きことを知んぬ。ここをもつて聞くところを慶び、獲るところを嘆ずるなりと。
と褒め称えられています。また歎異抄には、これらの方々が説き広めてくださらなければ自分は救われることがなかったとまで『歎異抄』には記されています。
歎異抄
親鸞におきては、ただ念仏して、弥陀にたすけられまゐらすべしと、よきひと(法然)の仰せをかぶりて、信ずるほかに別の子細なきなり。(省略)弥陀の本願まことにおはしまさば、釈尊の説教虚言なるべからず。仏説まことにおはしまさば、善導の御釈虚言したまふべからず。善導の御釈まことならば、法然の仰せそらごとならんや。法然の仰せまことならば、親鸞が申すむね、またもつてむなしかるべからず候ふか。
七高僧とはどんな人なのか
インドの菩薩様が2人
中国の高僧方が3人
日本の高僧方が2人の計7人のことです。
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